社会生活失格者
唐十郎が主宰する状況劇場の稽古場で村松氏と酒を飲んでいるとき、劇団員の小林薫が警察官とひと悶着おこして阿佐ヶ谷署に連行されたという知らせがあり、村松氏と引きとりに行ったことがある。
また、唐十郎と村松氏が銀座のクラブで酒を飲んでいるとき、中央公論社の上司と出会い、上司が飲んでいる水割りウィスキーのグラスに、吸いかけの煙草を突っ込んで火を消したこともある。
バカボンは権力者に弱い性格で、強い者にはさからわないことを信条としており、平凡社社長の下中邦彦社長とはしごく仲がよかった。村松氏に「どうしてそんな狼藉をしたのか」と尋ねると「唐十郎への挨拶がなかったからだ」と答えた。こういう人物は社会生活失格者としか思えず、なるべくつきあわないようにしていたのに、どこへ行っても、修羅場で会ってしまうのだ。
嵐山光三郎/鵜になるか鵜匠になるか『ちくま2004.8』
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