外胚葉・内胚葉・中胚葉
二〇世紀中頃、ハーヴァード大学の生理学教授ウィリアムス・シェルドンは、人間の気質は体型に関係があることを立証するために、彼のいわゆる「体質心理学」に関する一連の実験を行った。彼はまず四千人の学生を対象として調査した結果、人間を三つの体型グループに分類した。
次に被験者達の経歴や生活様式を調査して、一定の行動パターンが一定の体型に関連していると結論づけた。彼はまた、どの人も必ず三つのパターンの属性をある程度持っており、人の気質に影響を与えている―決定しているのではなく―のはこうした属性の混合であると結論づけた。
ロバート・デロップはシェルドンの理論を次のように説明している。
「シェークスピアの作品に登場する人物のなかで体型的にも気質的にもシェルドンの三つの分類に相当する典型的な人物は、フォルスタッフ、ホットスパー、ハムレットの三人である。・・・・・・フォルスタッフは極端な内胚葉型で、樽型あるいは典型的な卵型の体型。ホットスパーは極端な中胚葉型の勇猛な戦士で、筋肉質で広い肩と小さく引き締まった腰を持ち、三角形の体型。そして、優柔不断な思索家のハムレットは、やせて骨ばった直線的な体型の典型的な外胚葉型だ。三人の気質ははそれぞれの体つきに対応している。食欲が旺盛なフォルスタッフは内臓緊張気質、活動と冒険への情熱をもったホットスパーは身体緊張気質、とめどなく思索に陥るハムレットは頭脳緊張気質だ」
さらにシェルドンは、人々の内胚葉・中胚葉・外胚葉的要素の度合を数字であらわす「体型指数」を編み出した。指数は1から7までの数字をつかった三桁の数字であらわされる。それぞれの位は各胚葉の度合を表している。ファルスタッフならば内胚葉度7、中胚葉度1、外胚葉度1でシェルドン・スケール711となる。同様にして、ホットスパーは171、ハムレットは117である。これらの文学作品の人物のように極端な人は現実にはめったにいないが、444の指数をもつ完璧にバランスのとれたタイプもまためったにいない。
ジョセフ・ヘラー&ウィリアム・A・ヘンキン『ボディワイズ』春秋社1996年
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