心室細動
高円宮殿下が亡くなられたとき、宮内庁は「心室細動で亡くなられた」と発表し、一時この病気が話題となりました。その心室細動について説明しましょう。
心臓というのは、それぞれの細胞が一定のリズムで同時に収縮することによって、規則正しく動いています。すべての細胞の電気的なエネルギーが一定リズムで同じ方向に命令を出すことによって、心臓の筋肉の収縮と拡張が行われています。
心室細動とは、一個一個の細胞が好き勝手にバラバラの動きをしている状態です。心臓の各細胞が電気的にバラバラの動きをするために、心臓がブルブルと細かく震えているような状態になってしまいます。「船頭多くして舟、山に登る」ということでしょうか。この状態では、心臓はただ震えているだけで収縮も拡張もできません。血液を送り出すことができず、心臓機能が停止しているのと同じです。
この状態が長く続けば、心臓から脳に血液がいかなくなり、脳が死んでしまいます。やがて中の臓器が死んでしまいます。突然死(二十四時間以内の死亡)の原因の多くは、この心室細動によるものです。一刻の猶予もなく、電気的な信号を正常な状態に戻すための除細動器という器具を使わないと、命を失うことになります。
南淵明宏『心臓は語る』PHP新書2003年
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