スポーツ国家建設計画
オーストラリアは「文化・スポーツ・観光省」が中心となって、2000年のシドニー五輪開催を契機に「スポーツ国家建設計画」を推進している。
それは、規則的にスポーツを行うひとびとが10%増加するごとに心疾患と腰痛症がともに5%ずつ減少するという研究成果から、<規則的な身体活動の参加者が10%増加した場合の便益総額(net benefit)は5億9020万豪ドル><40%まで増加した場合は23億6080万豪ドルになる>との試算を出し、<国民にアクティブな生活習慣を促すことは、決して無駄な投資ではなく、計り知れないほどその経済効果は大きい>という考えから、国民の誰もがスポーツをできるように環境を整えようとする政策である。その他、欧米各国のみならず、アジアの諸国も、国を挙げてスポーツと取り組むプランを打ち出している。
日本の政府が(あるいは国民が)、そのようなスポーツに関する全国民的方針を打ち出せないのは、ひとつには、スポーツという文化の重要性に対する認識が薄いためだろう。
人間の身体を基盤とするスポーツ文化は、21世紀にはますます大きな注目を集めて発展し、国際経済を動かし、国際政治までも動かす、という認識があれば、建設業(ゼネコン)中心の経済政策を改め、ソフトウェア(スポーツ・倶楽部やスポーツ産業)の育成に、ソフトチェンジするはずだが・・・・・・。
玉木正之『スポーツとは何か』講談社現代新書1999年
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