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2004.06.16

色の持つ象徴性

小松 ローマ法王は金でしょう?

高階 金です。しかし金というのは色ではなくて、色を越えた「光」なんですよ。地上の色としては、少なくともキリスト教の体系では赤が最上位にある。そのほか、地水火風といった世界の構成原理を色に結びつける考え方とか、色が何かのシンボルになっていることは多い。
小松 色の組み合わせ方にもそれがあるな。日本では紅白が祝儀で、黒と白が不祝儀の組み合わせになっている。韓国では水色と白の組み合わせが不祝儀だけれども、日本でも昔は水色と白が切腹の場面なんかで死装束として出てくる。
高階 西洋だと白と青が国旗の色になっている例がギリシャをはじめいくつかあるところを見ると、白と青の組み合わせに死のイメージはないわけだ。
小松 日の丸の旗が赤と白というのは、おめでたい色なんだな。小学校の運動会から紅白歌合戦にいたるまで、赤と白。これは源平以来だろうけれども、不思議なものだな。
高階 白というのが聖なるものとか、純潔と結びつくのは、東西共通でしょう。ウェディング・ドレスが白だし、日本の花嫁衣裳も本来は白だったでしょう。
小松 もともとは白ですね。それから喪服ももとは白を基調に黒とか水色を取り合わせていたのが、日露戦争のときに戦死者が多くて、白だと汚れてしょうがないからと、貸衣装屋が黒喪服にしたという話がある。(中略)
小松 ハリウッド映画では、善玉は必ずブリュネットというジンクスというよりも文法に近いものがあるんですね。これは男の髪色のことですが、金髪は途中で派手な役まわりをやっても、実際のタテ役はブリュネット、つまり茶色の濃い髪でなきゃけない。女の髪色の場合でも、「紳士は金髪がお好き」というマリリン・モンローの映画が大当たりしましたが、その続編が「しかし紳士はブリュネットと結婚する」(笑)
小松左京×高階秀爾『絵の言葉』講談社学術文庫1976年

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