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2004.06.10

連翹・アイス・ビフテキ

春になると庭に連翹の黄色い花がいっぱい咲きましてね。この花が好きで、最初に建てた家にも植えました。

 だけどアメリカ生活を通してのトーンは、実に暗いものでした。ABCも知らない小学生が、いきなり現地の公立の学校に放り込まれたんです。当時はまだ"リメンバー・パールハーバー"の時代だし、人種差別だって半端じゃなかった。僕へのいじめや暴力なんて日常茶飯事ですよ。
 入学早々、ウンチがしたくなって困りました。向こうは先生がトイレットペーパーを持ってるんで、何とかして用件を伝えなきゃいけない。ゼスチャーを駆使して必死に伝えるんだけど、ダメなんだな、これが。級友にとっては最高の笑いのネタですよ。
 僕がブッシュ政権を批判し、市場原理主義を排撃する"嫌米派"なのは、このトラウマのせいなんです(苦笑)。
 それに、僕がデブになった原因もアメリカにあります。何しろビフテキとアイスクリームの国ですからね。六〇年代の日本で分厚いビフテキといえば、垂涎の食べ物ですよ。おまけにアイスクリームも日本みたいに乳脂肪分の低いラクトアイスじゃなくて、こってりした本物のアイスクリームですからね。学校でのストレスを解消させるため、もうガンガン食べてました。
森永卓郎(経済評論家)/家の履歴書『週刊文春2004.6.17』

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