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2004.06.23

筋肉のネットワーク

解剖学的にみていくと、骨格筋は「関節をまたいで二つの隣り合う骨にくっつき連動させる役割をしている」とばかりは単純にいえない。

 実際には、関節を二つも三つも飛び越えて直接には接していない離れた骨どうしを繋げている筋肉も多い。そうしたたくさんの短い筋肉や長い筋肉が、幾重にも何層にも表になり裏になり入り組んで体内をはしり、さまざまな骨にくっついている。
 そういう骨格筋の仕組みが、人間の複雑な動きを可能にしている。つまり身体のいろいろな部位を複雑多様に曲げたり伸ばしたりできる。引っ張る筋肉があれば、骨の反対側に伸ばす役割の筋肉もあり、てこのような理屈で対応して、曲げることも伸ばすことも、ともに自由自在というわけである。
 これを小脳による"神経ネットワーク"がコントロールしていると考えてもいいが、もう少し効率のよいメカニズムもあるようである。
 ここから私の仮説を導くことになるのだが、それらの複雑な筋肉が一群として効率よくはたらくというのなら・・・・・・「筋肉に加えられた刺激(情報)が、いったん小脳に伝わって、その指令によって再び筋肉のレベルに下りてきて必要な作動がもたらされる」というより、もっとプロセスが単純で刺激→作動が直結するような構造があっていいのではないか、と想像するのは不自然ではない。
 たとえば前胸部には、頚からの筋肉と交差している大胸筋という筋肉がある。その大胸筋の端が、小胸筋の端と繋がっている。その小胸筋はまた腕の烏口上腕筋という筋肉と同じ腱に繋がり、入り組んでいる。とすると腕の先の親指の使い過ぎで、前腕・上腕筋群を介して小胸筋から大胸筋、そして頚の筋肉へと連動して収縮が起き、肩や上腕の腱鞘炎や肩こりを引き起こしてもおかしくない。そこには、一連の筋肉の構造じたいに連鎖反応の伝達があったと考えることもできる。
 つまり、物理的には直接"筋肉のネットワーク"が作動しているのではないか。言い換えれば、小脳の神経ネットワークを省略したメカニズムも機能している可能性がある。

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