愛情の辻褄合わせ
女の人って年頃になると、いろいろ見切りをつけたり、見極めやったり、値踏みしたり、戦略を練らなきゃいけないじゃないですか
林 よく、エリートの男性が職場で女の人を選ぶと、女の人たちからブーイングが上がるでしょう。「あんな戦略見え見えの女にひっかかって」と。男性は職場の中でも、彼女がどこかの学校を出てるとか将来性とか、家柄のことなんか考えないでしょう。でも女はよーく調べ上げてますよね。
桐野 もし林さんもそういう職場にいたら、するんですか?
林 私? 成功はしなかったと思うけど(笑)、したでしょうね。
桐野 それは恋愛ではなく、ともかくその男の妻になるということですか。
林 既成事実として妻とか恋人になれば、愛情とかは後で全部辻褄合わせできるように感じるんですね。
桐野 すごいすごい。
林 あ、そう思いません?
桐野 愛情の辻褄合わせというのは、発想になかった。素晴らしい。でも、そういう女の人って何が欲しいの? エリート妻の座?
林 だから、望むものが違うんでしょうね。
桐野 見かけが悪くても?
林 見かけが悪くても。恋愛・結婚に関してずる賢さにかけては、女は男の比じゃないと思いますよ。とくに競争に入る頃の十七、八の女のずる賢さ。
桐野 それは取材なさったんですか。
林 いいえ、街行く女の子の手の組み方や話し方で・・・・・・。コケティッシュさと脅しをうまく使い分けてて、すごいなあと。渋谷のマックで見てると、「お~、十代で、もうこんなテクニック身につけて」という子がいる。
林真理子×桐野夏生/女は怪物?それとも鬼?『週刊文春4・29-5・6』
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