« 息をともにする平和 | トップページ | 酔っ払いのアリ »

2004.05.21

米人地震学者がみた日本の慣性

この国は慣性が大きすぎる

 「地震予知ができるものなら、実現してほしい。誰でもそう思う。でも、大地震が発生するメカニズムは解明されておらず、確実な前兆現象も見つかっていない。これからの50年間で予知できないのであれば、予知という幻に大きすぎる期待を抱くよりも、地震に耐える町を造るべき」
 国家プロジェクトとして地震予知計画がスタートしたのは、65年。78年には、「大規模地震対策特別措置法」が成立した。これは、まだ起こっていない東海地震の発生が予知可能であるという前提で、その対策を制度化した法律だ。だが、40年近い時間と1000億円をはるかに超える国家予算を費やした研究は、いまだに発生する地震の日時・場所・規模を特定できていない。
 そして、この間に、阪神・淡路大震災をはじめとする数多くの大地震が東海地方以外で起こり、幾多の人命や財産が失われた。災害が重なるたびに、予知研究は懐疑と批判の目にさらされたものの、依然として巨額の予算を費やし続けている。
 「この問題は研究者だけがで悪いのではない。日本政府の研究プロジェクトの予算措置は、中身でなくスローガンで決まってしまう。スタート時に予算調達のためについた『予知』という小さな嘘が、時間とともにエスカレートして現在に至っている。この国では、物理の用語でいう『慣性』が大きすぎます」

ロバート・J・ゲラー 1952年、ニューヨーク生まれ。カリフォルニア工科大学地球物理学科で博士号取得。スタンフォード大学助教授を経て、84年、東京大学助教授。東大で初の任期なし外国人教員となる。99年から教授。主要研究テーマは地震波動論及び数値シュミレーション、地球の三次元内部構造。日本コントラクトブリッジ連盟理事/恩師に学んだ研究者の倫理観が、「地震予知は不可能」と言わせる/『YomiuriWeekly2004.5.30』

|

« 息をともにする平和 | トップページ | 酔っ払いのアリ »

総論」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/26560/624744

この記事へのトラックバック一覧です: 米人地震学者がみた日本の慣性:

« 息をともにする平和 | トップページ | 酔っ払いのアリ »