いい選手わるい選手
自己管理ができるかどうかがポイント
選手の本当の良し悪しは海外に連れて行かないと分からないものだ。確かに日本サッカー協会は世界の舞台に選手を送り出すようになって、時差や暑さ、移動、食事、給水などさまざまノウハウを蓄積することができた。それらを選手に提供することはできる。しかし、私たちも1日中ずっと選手の面倒を見られるわけではない。1日24時間から試合や練習の時間を除き、残りの20時間に何をするかは、結局は選手が自分で自分をコントロールする以外に方法はないのである。食事も仕事、休みをとるのも仕事と考えて、きちんと自分を律することができるか?
この能力は案外、国内にいるだけでは露にならない。Jリーグのように時間管理がしっかりした世界では1週間のスケジュールがきちんと組み立てられ、選手はベルトコンベアに乗っかったように動いていける。
海外に行くと途端に状況は変わる。用意されているはずの練習場が突然変わる、行くと夜間照明が嫌がらせなのか点かないとか、アクシデントの連続となる。そういう中では柔軟性も必要だし精神的にもタフであることも、自分でスケジュールを立てられるような能力も必要だ。Jリーグで見るといい選手なのに、代表の、それも海外での試合になると今一つ力が発揮できない選手は、ピッチの外の部分に難があるケースが多い。
「眠れないから」と言って、飛行機の中でマンガやゲームを延々と続けるか、とにかく体を休めることに専念するか。その差は、あとあと効いてくるものなのだ。
山本昌邦『山本昌邦備忘録 トルシェジャパンの一三六九日』講談社P152-153
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