強さの秘密
イタリアでは「夏のキャンプは1シーズンのスタミナを蓄える冷蔵庫の役割を担う」という。ミランはキャンプ前半はじっくり走りこみ、七月末から八月に多くの練習試合を組んだ。
走りこみ不足で優勝争いの正念場となる三月に足が止まり、選手自身もコンディションの不備を訴えたユベントスに差をつけた。
また、MILANLABと呼ばれる選手の総合管理システムが機能した点も大きい。
ここ数年、テレビマネー、入場料収入を求めて試合数は増加の一途。年間70試合近くを消化する選手は疲弊し、故障者の数もうなぎ登りだ。ユベントスはデルピエロ、トレゼゲらが故障で長期の戦線離脱、CL、セリエAとも早々に脱落する原因となった。
ミランはほとんど故障者もなくシーズンを乗り切れた。MILANLABを要約すると、選手を一律に縛るのではなく、体調管理やトレーニング方法を個人的に設定し、最高のコンディションでプレーできるよう運営するシステムである。
もともとミランは選手管理に厳しい。数年前、主力だったアルベルティーニと食事した際、日曜の試合に備え木曜日からは赤い肉は一切食べず、鳥や魚中心の食生活になると話していた。当時のサッキ監督は選手の帰宅時間を毎日チェックするなど、体調管理にはうるさかった。選手管理をより個別化・細分化した今季のミランの成功は、そうした傾向に拍車をかけるかもしれない。
植芝敬治/欧州サッカー通信『日経新聞2004.4.26』
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