温暖化による具体的な地球上の現象はすべて水の問題としてあらわれてきておるのはおわかりじゃな。CO2は目に見えないが、水は、海面上昇、氷河の後退、北極の氷の壊滅、大渇水、大洪水、高潮などに直面していいる。このリアルな水の問題に対応しようとして、世界中はガタガタしておるのだ。
わしの出身地北京はやがて砂漠化していくだろうと専門家は言うておる。また中国はこれ以上発展するための水は残っていないとも言われているのだ。その例としてちょっとショッキングな話をしてみよう。「断流」という言葉を聞いたことはあるかな。中国の河といえば、黄河や揚子江を思い浮かべるだろうが、滔滔と流れる河はその対岸を隠してしまうほどじゃった。だがいま黄河は、涸れてしまって海まで水が流れない、届かないという現象が起こっておる。「断流」が始めて観測されたのは1970年代のことじゃった。97年にはついに黄河の水が渤海まで流れない日が、年間226日に達した。誠に驚きである。最初は黄河自身が運んだ土砂で川底に堆積したと考えられていたのだが、今では、工業化が進んだ工場群が大量に水を消費することが原因ではないかと言われておる。
北京に目を転じれば、『中国経済週間』(06年12月)は北京の不安をこう予測しておる。
―もし北京の人口がこのまま増え続ければ、2010年には人口が従来予測を300万人も上回ることになり、そうなれば、北京の水の需要は、供給量を上回る。
これは深刻な問題である。同様の状況は、中国第二の都市・上海でも起きておるのだ。
さてわしが日本に来た理由が理解できてきたかな。それは世界で最先端の省エネの水利用技術、水処理技術を持っているのが日本なのだ。その技術を学ぶことがわしの隠れたミッションなのである。
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